財務
KPIでできることと、押さえておくべきKPI設定・運用の要点
2021年10月26日
KPI(Key Performance Indicator)は、業績のカギを握る評価指標のことです。例えば、「客数」と「平均単価」は、売上目標のKPIとしてよく用いられています。
KPIでできること
KPIでできることは、以下の5点です。
- 目標を達成するための取るべき行動が明確になる
- 優先順位が明確になり、施策に対する集中度が増す
- 目標に対する進捗状況をモニタリングできる
- 早期に改善策を打つことができる。
- 目標設定前と同じ環境下、リソースの元で、適切なKPIが設定できれば必ず業績は良くなります。
つまり、以下のようなKPI設定・運用を意識できれば、適切なKPI管理ができていると言えます。以下の内容は、筆者が財務研修でKPIを取り扱う際に、受講者に対して、必ず伝えている内容です。
1.目標を達成するために何をすればよいかがわかる。
つまり、KPIがアクションに紐づいている状態のことです。例えば、「KPI客数」であれば、集客のための販促企画を行う。「KPI平均単価」であれば、単価アップのための施策を打つなどです。
2.優先順位を明確にする。
KPI設定の際に、陥りがちなのがKPIの乱立です。KPIの数が多ければ多いほど、アクションが増えます。このアクションは、KPI設定前にはなかったアクションなので、KPI設定後は、単純に仕事が増える状態となります。日常業務に支障が出ないように、またアクションが中途半端な状態にならないよう、KPIには優先順位をつけ、どのKPIから改善に取り組むかを明らかにしましょう。
3.目標に対する進捗状況をモニタリングする。
KPIを設定したら、毎月KPI結果を確認できるよう、会議資料などで管理していきましょう。KPI設定で、起こした新たなアクションの結果、良かったのか、悪かったのかを確認します。
4.モニタリング結果を見て、早期に改善策を打つ。
起こしたアクションで成果が出なかった場合、その要因を分析して、「続ける」、「改良する」、「中止し、別のアクションを起こす」など、目標達成に向けた適切なアクションを設定しましょう。
成果が出ている場合でも、成果要因から「そのまま継続する」、「改良する」、「別のアクションを試してみる」など、検討すべきです。例えば、「成果要因が特定できず、偶然が重なって」ということも考えられますので、その場合は、「しばらく継続して様子を見てみる」ということも選択肢となります。
5.KPIにフォーカスしすぎない。
KPIとそれに紐づくアクションに集中しすぎるあまり、普段できていることがおろそかになっては、他の指標が下がり、結果的には業績が落ちたというケースもありえます。「何のためのKPIか」、つまりゴールを常に意識することを忘れないようにしましょう。
次回は、KPIの設定方法について解説します。
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