財務
【経営支援お役立ち情報 財務 第1回】
銀行との正しい付き合い方 ~信用とは何か?~
2019年12月17日
銀行との付き合いで「信用」が大事だとよく言われますが、そもそも銀行取引上の信用とは何でしょうか。
本コラムでは、銀行取引上の信用についてのよくある誤解と、正しい捉え方について解説していきます。
信用って何?
では、そもそも銀行取引上の信用とは何でしょうか?
- 財務内容?
- 付き合い上、仕方なく取引すること?
- 返済状況?
等々、様々な答えが想像できますが、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。
とある経営者がこんなことをおっしゃっていました
「信用が大事だから、必要ないけどとりあえず借りた」
取引のある銀行に決算書を提出した後、必ずと言っていいほど銀行の担当者から営業を掛けられます。銀行からすると、営業を掛けやすいタイミングでもあります。
“「じゃあお願いしようか・・・」とついつい、今必要なタイミングではないにも関わらず、信用の為にとりあえず借りる。”
このような経験をされた経営者は少なくないはずです。
この行動は、銀行から信用を得る上で、プラスに働くでしょうか。マイナスに働くでしょうか・・・答えは両方です。プラスの要素もありますが、場合によってはマイナスの要素もあります。
信用にプラスの要素
- 銀行との取引を深める
- 銀行担当者との信頼関係を深める
- 返済実績を作る
と、銀行との関係性においてはプラスです。
信用にマイナスの要素
- 銀行から計画性がないと判断される可能性がある
- 返済負担が増え、キャッシュフローが悪化し、場合によっては返済資金を確保するために、後日借入を起こす必要性が出てくる
- バランスシートの内容が悪くなる
等、「財務状況」や、銀行から見た「経営者の経営能力」においてマイナスと見做される可能性があります。
この事例のように、実は銀行取引における信用とは様々な要素が絡み合っています。
以下のグラフをご覧ください。これは、金融機関が取引先のどこを注目して見ているかを表したものです。
このグラフから読み取れることは、以下の項目が「金融機関が注目しているポイント」であり、「信用を得るポイント」であるということです。
- 会社や経営者の資産余力
- 代表者の経営能力や人間性
- 返済実績や取引振り
- 財務内容
- 事業の安定性、成⾧性
次回は、これらの注目ポイントについて、詳しく解説していきます。