経営革新計画
認定支援機関は中小企業のサポーター「どのような相談ができるのか」
2021年12月21日
日本経済は中小企業によって支えられているといっても過言ではなく、そのため中小企業をサポートする仕組みや制度が数多く存在します。
認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)もその制度の1つで、中小企業のサポーターのような存在です。
認定支援機関は例えば、中小企業が経営革新計画をつくるときに作成を手伝います。
経営革新計画は、中小企業庁などの支援制度を利用するときに申請書類と一緒に提出しなければなりませんが、行政機関に提出する書類・資料としては最も作成が難しいものの1つなので、認定支援機関は頼りになるはずです。
これ以外でも、認定支援機関はさまざまな角度から中小企業の経営を支援します。
「経営が思わしくない」と感じている経営者は、一度認定支援機関に相談してみてはいかがでしょうか。
この記事では、中小企業が認定支援機関に相談すると、どのようなメリットが得られるのか解説します。
もくじ
中小企業の支援に関する知識と経験があるプロ集団
中小企業庁は認定支援機関のことを次のように定義しています。
<認定支援機関の定義>
中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関で、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関などがそれに該当する
(引用)https://mirasapo-plus.go.jp/supporter/certification/
この定義から認定支援機関は、中小企業を支援する国のお墨付きを得たプロ集団であることがわかります。
ここには、中小企業を支援する者としか書いてなく、「中小企業の経営革新計画づくりをサポートする機関」とは書かれていません。そのことから、認定支援機関の経営革新計画づくりサポート業務は、数ある仕事のうちの1つにすぎないことがわかると思います。
認定支援機関と経営革新計画と支援制度の関係
中小企業庁などの支援制度を必要としている中小企業の経営者としては「とにかく認定支援機関の力を借りて、経営革新計画をつくらないとならない」と考えると思います。
その考え方は正しく、企業が「経営革新計画をつくろう」と思い立ったら、真っ先に認定支援機関に相談することができます。
認定支援機関は、そもそも経営革新計画とは何なのかといった初歩的な疑問にも答えてくれますし、相談に来た企業が使えそうな支援制度を紹介してくれるはずです。
経営革新計画は、都道府県や国などの承認を得ないと「有効」にならないので、認定支援機関のサポートは心強いものになります。
認定支援機関の支援を受ける流れ
中小企業は、どのように認定支援機関にアクセスしたらよいのでしょうか。
認定支援機関の支援を受けるまでの流れを紹介します。
ステップ1:経営者が経営課題を明確にする
まずは経営者が経営課題を明確にすることから始まります。
経営者は「生産性を向上させたい」「新規事業を始めたい」「売上高を伸ばしたい」「経営改革を図りたい」「融資を受けたい」といった課題を持っていると思います。
もしくは、「支援制度を使って資金調達したい」という課題が浮かぶかもしれません。
認定支援機関は、企業の具体的な課題を解決するためにサポートするので、経営者が経営課題を具体的に把握しておく必要があります。
ステップ2:中小企業庁のサイトから認定支援機関を探す
中小企業庁は、全国すべての認定支援機関を掲載したサイト「認定経営革新支援機関 検索システム」をつくっています。URLは以下のとおりです。
https://ninteishien.force.com/NSK_CertificationArea
経営者は、ここから認定支援機関を探すことができます。
このサイトには認定支援機関の住所も載っているので、経営者は自社の近所の機関から探していってもよいでしょう。
ステップ3:自社の課題解決にマッチした認定支援機関を選ぶ
認定支援機関になっているのは、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関などです。したがってひと口に認定支援機関といっても、それぞれが得意の支援メニューを持っています。
支援メニューには例えば次のようなものがあります。
創業支援、事業計画作成支援、経営改善、事業承継、M&A、事業再生、生産管理、品質管理、情報化戦略、知財戦略、販路開拓、マーケティング、マッチング、産学官連携、人材育成、人事・労務、海外展開、BCP作成支援、物流戦略、金融、財務
また認定支援機関は同じ業種でも得意業界が異なります。
業界業種には次のようなものがあります。
農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス事業、サービス業
経営者は、自社が必要とする支援が得意であり、自社が属す業界業種に明るい認定支援機関を選ぶことになります。
自社にマッチしている認定支援機関がわからない場合は、地元の商工会や商工会議所に相談してもよいでしょう。
ステップ4:認定支援機関と一緒に計画をつくり着手する
認定支援機関が決まったら、認定支援機関は経営者に経営状況を開示するよう求めるでしょう。経営者は認定支援機関の担当者に、財務諸表を提示したり、経営課題を説明したりします。
その後、認定支援機関の担当者は、経営課題を解決するための計画やロードマップなどを作成します。経営者がそれを承認したら、その計画に沿ってやるべきことを進めていきます。
ステップ5:フォローを受けながら計画を達成する
計画とおりに事を進めるのは経営者と企業の仕事ですが、認定支援機関の担当者は定期的に企業を巡回してフォローアップをしていきます。
そして計画の達成を目指します。
認定支援機関への報酬の支払い
認定支援機関のサポートは原則有料です。
認定支援機関に支払う報酬額は、認定支援機関によって異なります。
報酬は「補助金を獲得できたらその○%」「融資の審査が通ったら融資額の□%」といったように決めることもあります。
最初の相談を無料にしているところもあるので、経営者は認定支援機関を探すときに「本格的に支援が始まったらいくらかかるのか」「いつから有料になるのか」といったことも確認するようにしましょう。
認定支援機関を利用するメリット
認定支援機関を利用するメリットは「実利が得られること」です。
逆の言い方をすると、経営者が「実利が得られる」と判断できたときに、認定支援機関のサポートを受けたほうがよい、といえます。
「実利」には、支援制度や補助金の採択、融資の審査のパスといったお金に関するものや、販路の拡大や新規顧客の獲得といった売上高に直結するもの、財務分析や産学官連携といったすぐにお金を生むわけではないが成長につながるものが含まれます。
認定支援機関にはさまざまな専門家がいて、さまざまな角度から中小企業を支援するので、経営者は「うちの会社はこの実利を得たい」という明確な狙いを持っておいたほうがよいでしょう。
新経営サービスも認定支援機関です
創業者の経営者や長年企業のトップを務めている人は、強固な経営哲学や勝利の方程式などを持っていると思います。
しかし、もし売り上げの低迷やシェアの縮小、顧客離れなどに直面していたら、一度自分流を封印して、専門家の意見に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
認定支援機関にいる専門家のなかには、特定の業界を長年ウォッチしている人もいます。そのような人から忌憚のない意見がもらえれば、新たな経営のヒントが得られるでしょう。
当社、株式会社新経営サービスの専任コンサルタントである中谷も、認定支援機関に登録しています。
次のような希望を持っている経営者には、当社が提供するソリューションが役立つはずです。
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当社は経営革新計画についての相談を、無料で承っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。