BCP
BCP(事業継続計画)策定を行うメリット・デメリットとは?
2023年04月11日
もくじ
BCP(事業継続計画)策定の必要性とは
自然災害などの緊急事態が起きた際に事業を継続させるための計画を指す「事業継続計画(BCP/Business Continuity Plan)」。
BCPは、地震や感染症の蔓延、大事故やサプライチェーンの途絶など、突発的に不測の事態が発生してもリスクを回避するとともに、重要な事業を中断せず、可能な限り短い期間で復旧させるために必要なプランです。
そんなBCPですが、企業規模や地域・業種を問わず、様々な企業からBCPが求められているのはなぜなのでしょうか。
企業の事業継続性を保ち、会社や社員を守るため
自然災害の多い日本では、災害発生時に迅速な対応を行うことは、企業にとって重要です。
そして、突発的に不測の事態が発生した際に、できる限りリスクを回避するためには、前もって緊急事態に備えることで、その後の会社経営や従業員の雇用を維持することが何よりも重要です。
東日本大震災が発生した際には、中小企業の多くが貴重な人材や設備を失い、廃業せざるを得ない状況となりました。
また、被災状況がそれほど深刻でなくとも、復旧が長期化すたことで商品やサービスを提供することができず、その結果として事業縮小や従業員の解雇を迫られたケースも少なくありませんでした。
そのため、お客様や取引先、社員の雇用を守るために、平時にBCPを策定し、企業の事業継続性を保つことが必要なのです。
緊急事態発生時に、迅速且つ正確な対応を行えるようにするため
緊急時には多くの企業が対応に追われるため、いかに早く商品やサービスの提供を復旧させられるかが企業の生き残りを大きく分けることになります。
そのためには、被害を受けても重要な業務だけは継続できる体制の維持や遠隔地を利用した生産体制・サプライチェーンの確保などが必要です。
また、緊急時にいち早く対応・復旧するだけでなく、被害を受けてもどのような行動の選択肢があるかを、できる限り具体的に明示しておくことが重要ですが、BCPを策定していれば、緊急対応のスピードだけでなく、事業の正確性を向上させることも可能です。
そして、早期に事業を復旧することで、お客様や取引先から評価され、新たな顧客の獲得や事業拡大が可能となることから、企業価値の向上や平常時の企業競争力の強化につなげることもできます。
BCP(事業継続計画)を策定するメリットとは
自然災害やサイバーテロによる損害等に対するリスク回避として、BCPを策定する企業は年々増加しています。
そんなBCPを策定するメリットとして、以下が挙げられます。
事業縮小や倒産のリスクを軽減できる
緊急事態の発生によって、復旧期間が長くなるほど損失は大きくなり、既存の顧客が競合他社へと流出してしまう可能性が高くなります。
その結果、事業再開の目途が立ったときには、事業規模を縮小せざるを得ない状況に陥っているかもしれません。
特に、経営基盤が盤石とは言えない中小企業の場合は、事業を早期に復旧できないことによって廃業に追い込まれてしまう可能性も考えられます。
BCPを策定して平時から緊急事態を見据えた体制を整えておくことで、有事の際にも中核事業を継続できたり、早期に再開できる可能性が高まるため、事業縮小や倒産のリスクを軽減することができます。
社員が安心して働ける環境をつくることができる
BCPの有無は、従業員が安心して働ける環境づくりという面でも重要な役割を果たします。
緊急事態によって事業縮小や倒産が発生した場合、社員は働く場所と収入源を失ってしまいます。
そのため、勤務している企業がBCPを策定していない、あるいはBCP対策の取り組みが不十分といった場合、社員の中には不安や不信感を抱く方もいるでしょう。
その場合、自社で活躍している優秀な人材が流出してしまうケースも考えられます。
BCPの取り組みを積極的に行い、先述の通り緊急事態による事業縮小・倒産のリスクを抑えることで、従業員の安心感や満足度の向上にもつなげることができます。
企業としての社会的信頼を獲得できる
BCPの策定は、企業としての社会的信頼を獲得することにもつながります。
それは、BCPの策定を通じて、緊急事態などのリスクに対応できる体制を整えておくことで、取引先や投資家といったステークホルダーからの信頼を獲得しやすくなるためです。
また、緊急事態が発生した際に迅速かつ効果的な対応を実施できれば、市場における存在感は増し、ブランドイメージの向上にもつなげることができます。
BCP(事業継続計画)を策定するデメリットとは
BCPの策定には、先述したような様々なメリットがありますが、デメリットとしては、どのようなものが挙げられるのでしょうか?それは、以下の通りです。
BCP策定に時間やコストがかかる
BCPの策定には、計画を作成する担当者の時間や人件費、コンサルティング費用などのコストがかかります。
また、策定作業だけでなく有事の際に迅速な対応がとれるようにするためには、社員を教育する時間やコストもかかります。
これらは、直接的な利益を生まないコストであるため、特に中小企業にとっては、策定にかけるコストの確保がボトルネックとなるでしょう。
リスクを分散させるためのコストがかかる
例えば、基幹システムのバックアップデータを、災害に強い地域のデータセンターに避難させるなど、非常時に対する備えとしてリスクを複数に分散させる対策は、多くの企業のBCP対策からも散見されます。
他にも、本社拠点が損壊した際に、別拠点にて本社機能を維持させる環境づくりもリスク分散の一例として挙げられます。しかし、これらには一定の投資が必要であり、実際の非常時に正しく機能するレベルまで環境を整備するには、多大なコストが発生します。
BCP(事業継続計画)策定は事業計画プロにお任せください
新経営サービスでは、豊富な実績・経験をもとにBCP(事業継続計画)の策定支援を行っています。
本支援では、事業計画策定のプロが、他社事例や成功事例をもとに、貴社担当者に代わって計画作成を代行し、経済産業大臣が認定する、「事業継続力強化計画」を作成いたします。
詳しくは、「BCP(事業継続計画)策定支援」ページをご確認ください。