BCP
ウチにはBCPなんて必要ないと考えている方へ
2022年01月18日
最近お会いした経営者の方に「事業継続計画って作成されていますか?」と聞くと、
「いやーウチは災害が起こっても、特に故障するような機械も無いし、津波もこないだろうから作ってないね。」
「BCPっていうのは最近よく聞くけど、ウチは製造業じゃないから関係ないでしょう」
という回答が返ってきました。
実際に、帝国データバンクの調査によると、
“事業継続計画(BCP)を「策定している」と回答した企業の割合は17.6%(前年比1.0ポイント増)となった。BCP策定率は年々緩やかに上昇し過去最高となったものの、未だ低水準にとどまっている。規模別でみると大企業は32.0%、中小企業は14.7%となり、それぞれの規模で増加傾向にある”
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p210604.html
と、中小企業では、およそ85%との企業がBCPを策定していない状況です。
災害大国である日本において、事業継続計画の策定は必須であるにも関わらず、なぜここまで策定率が低水準なのでしょうか。
調査では、“BCPを策定していない理由では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(41.9%)がトップ (複数回答、以下同)で、突出して高かった。“という意見もあります。
しかし、中小機構は無料のオンラインセミナーや支援を行っており、国からのサポートは十分に用意されています。
https://kyoujinnka.smrj.go.jp/seminar_handson/
おそらく、多くの企業が、
災害が起こってから考えればいいや。何とかなるだろう。と考えているため、BCPを作成していないのだと推測します。
もくじ
最悪を想定して行動する。
私は普段企業の現場に入って、経営計画を作成し、そのPDCAを回す支援を行っています。プロジェクトを進めるうえで大切な考え方に「プレモータムシンキング」というものがあります。
プレモータムシンキングとは、「先に失敗することを想定して、事前にその失敗要因に対して手を打つ」考え方を指します。
何か物事を進める際には、成功するための手法、施策を考えてしまいがちですが、プレモータムシンキングではそうではなく、失敗を逆算して考え、先に失敗の目をつぶす活動を行います。個人的に、BCPの活動(前コラムでいうBCMS)はまさにプレモータムシンキングの実践だと思っています。
有事の際には、落ち着いて考えることができない
地震や津波発生時、そして火災が発生したときには、まずは命を守ることが最優先です。何とか無事に避難できたとしても、その後に、機械の復旧、社員への給与支払、取引先への伝達と復旧時期の連絡…などを行うことができるでしょうか。
有事の際には、落ち着いて物事を考えることができないため、先に失敗(ここでは被災)したことを想定して、どう対応するか考えておくことは非常に重要です。
消火器ってここにあったのか
実際にとある企業様で防災訓練を実施した際に(カッチリとした計画書は作成していません)、とある社員の方が「消火器ってここに置いてあったのか」や「避難はしごってここの扉を開けるのですね」という驚きの声が挙がりました。
もし、防災訓練をする前に火災や地震が発生していたらどうなっていたのかを想像すると冷や汗をかいたことがあります。
今回はプレモータムシンキングという考え方を軸に、BCPの重要性についてお伝えしました。実際の事業継続計画の策定については、下記の資料をご覧ください(無料です)。
資料ダウンロード
下記より、事業継続力強化計画についての資料を無料でダウンロードいただけます。
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チェックリストで分かるBCP策定の次の一手!
BCP取り組みチェックリスト
本紙では中小企業庁が出している「BCP取組状況チェックリスト」をもとに作成したリストをもとに、自社での取り組みが分かるヒントを記載しています。ぜひご活用ください。
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認定されるための申請計画の書き方を分かりやすく解説
事業継続力強化計画(単独型)の書き方
本資料ではできるだけ分かりやすく、認定されるための申請計画の書き方について解説します。