業種別 新規事業の事例
「製造業」の新規事業・事業再構築の方向性
2022年03月25日
業種別 新規事業・事業再構築事例の紹介として「製造業」の新規事業・事業再構築の方向性についてお伝えします。
中小企業等が、新分野展開や業態転換などの事業再構築を通じて、コロナ前のビジネスモデルから転換する必要性は、依然として高い状況にあります。
令和3年度からスタートした「事業再構築補助金」についても、多くの製造業の経営者が自社の事業再構築に向けて申請され、私どもも多数の申請支援および採択・交付決定を得て参りました。
製造業の事業再構築・新規事業の方向性については、以下が考えられますので、これから「新規事業を検討しよう」「事業再構築補助金にチャレンジしよう」と思われる方は参考にしてください。
全国の製造業の事業再構築の主なキーワードとしては、以下のものが挙げられます。
半導体製造装置の部品製造、代替肉の製造、アウトドア市場への参入といった、世の中のトレンドを捉えた展開も多く見られました。
製造業の新規事業事例
- B to BからB to Cへ参入
新しい売り方で、新しい顧客に新しい商品を展開 - OEM専門から自社ブランドの立ち上げ
新しい顧客に、新しい商品を展開 - 高機能設備の導入による新製品の製造
新しい顧客に新しい商品の展開 - SDGsの取り組み(廃材等のリサイクル活用による循環型社会実現への取り組み)
新しい顧客に新しい商品の展開 - 代替肉の製造・販売
新しい顧客に、新しい商品の展開 - アウトドア製品の製造・販売
新しい顧客に、新しい商品を展開 - 半導体製造装置の部品製造
新しい顧客に、新しい商品の展開 - AI活用(自動検査機製造等による省人化対応)
新しい顧客に、新しい商品の展開 - 3Dプリンタ活用
新しい顧客に、新しい商品の展開 - ベテラン技術者による商品開発サポートサービス
新しい顧客に、新しいサービスを展開 - 工場直売所とイートイン事業
新しい売り方で、新しい顧客に新しい商品・サービスを展開
新規事業の方向性検討
新規事業を考えるにあたっての大きな方向性としては、以下のフレームワーク(思考方法)が有効です。
アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリックス(製品と市場の二軸、新規と既存の二軸を元に表を作り各々を「市場浸透」「製品開発」「市場開拓」「多角化」に分類するマトリックス)で、新規事業とは何かを考えてみたいと思います。
市場浸透 | 既存商品・サービスを既存の顧客・市場により浸透させる領域であり、新規事業とはいえない。 |
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多角化 | 新規商品・サービスをつくり、これまでと異なった顧客・市場に投入するものであり、大きな新規事業といえる。異なった業種をスタートすることもこの領域。 |
新市場開拓 | 既存商品・サービスであっても、BtoC→BtoB(個人用→業務用)や、海外進出等、新しい市場でビジネス展開することは新規事業といえる。 |
新商品開発 | 既存市場内での新商品開発は、これまでの顧客・市場と変わるわけではないため、単なる商品ラインナップの追加という領域といえる。新規事業かどうかというと、ケースバイケースで捉えるべきグレーゾーン。 |
アンゾフの成長マトリクス
私の考えとしては、新商品開発でも
従来ビジネスモデルを変えずに、既存事業の経営資源だけを活用した新商品・新サービスは、新規事業とは言いにくいと考えます(既存の収益の仕組みをそのまま使って、新しい商品を開発・展開することは、単に商品ラインナップが増えるだけ)。
例えば、チョコレート菓子メーカーが新しい味のチョコレート菓子を発売するといった類のものは、ほぼ既存事業のビジネスモデル並びに経営資源活用になる場合が多く、新商品ではあるが、既存事業の範疇です。
そこで、新規事業と考えられる新商品開発の定義は、
- 従来と異なるアライアンスパートナーとの事業展開
- 新しいカテゴリーの商品・サービスの開発による新しい顧客ターゲットの開拓
- 流通経路の大幅な変更を伴う新商品開発
を指すと考えて良いのではないでしょうか。
平たく言うと「新しい顧客に」「新しい商品・サービスを」「新しいやり方で」取り組みを行う場合に新規事業であるといえましょう。
先の製造業の事業再構築・新規事業のキーワードを上記フレームワークに当てはめると、以下のようなイメージです。
どの業種においても、事業再構築・新規事業を検討する際には、以上のような考え方を当てはめて考えることで新規事業の方向性が見出せることでしょう。