マーケティング
いまさら聞けない、広告と広報・PRの違い
2019年10月15日
そこで、今回は「広告と広報・PRの違い」について、どういった違いがあるのかを出来るだけ分かりやすくお伝えしようと思います。
よく、「広告は Buy me」、「広報は Love me」だと言われます。
商品やサービスの購入を“直接的”に訴える広告に対し、“理解を求める”コミュニケーション活動が広報であるということを、端的に表現したフレーズです。
もう少し詳しく説明すると、
広告は
企業が有料で広告スペースを購入し、商品・サービスの販売促進を図るために行う、“説得的”なコミュニケーション活動
であるのに対し、
広報・PRは
企業や組織の存在意義や経営目的、そのための活動を人々に知ってもらい、“理解してもらう”ためのコミュニケーション活動
を指します。
つまり、広報・PRは、商品やサービスを購入してもらう以前に、消費者の好意的な態度や企業への信頼を獲得することを目指しており、「消費者との関係づくり」に主眼を置いた活動だと言えます。
広告と広報・PRの違いについて図示すると、以下のようになります。
広告 | 広報・PR | |
---|---|---|
目的 | 商品・サービスの販促 | 理解と信頼関係の構築 |
メディア側の担当部門 | 広告局、営業局 | 報道局、編集局、制作局 |
掲載可否の決定権 | 広告主 | メディア側 |
掲載スペース | 広告面、CM枠 | 記事、番組内 |
掲載時期 | 広告主が指定 | メディア側が決定 |
掲載内容 | 広告主が決定 | メディア側が決定 |
情報特性 | 主観的 | 客観的 |
情報の信頼性 | あまり高くない | 高い |
掲載費用 | 有料 | 無料 |
企業が広告費を支払って広告枠を購入し、広告主の望む情報を、広告主の望むタイミングで掲載(出稿)することが出来る
のに対し、広報・PRは、
メディア側が報道に値する、“社会的意義”のある情報か、“ニュース性や話題性”がある情報かを判断し、メディア側の視点で掲載、報道の可否を決定
します。
よって、広報・PRで発進した情報はそもそもメディアに取り上げてもらえるかも分かりませんし、取り上げてもらえることになったとしても、
・いつ
・どこで
・どの程度
・どのような内容で
取り上げられるかを、企業側がコントロールすることはできません。
(ここが広報・PRの難しいところ・・)
しかし、広告主の主観的な情報である広告とは異なり、報道機関という中立的な立場から、番組や記事といった形式にして客観的に報じてもらえることで、その情報の信頼性や価値が格段に高まります。
①ニュース: このリンゴは、とっても美味しいです
②広 告 : このリンゴは、とっても美味しいです
あなたなら、①と②どちらの言葉に心を動かされますか?
おさらい
- 「広告は Buy me」、「広報は Love me」
- 広告は、企業が有料で広告スペースを購入し、商品・サービスの販売促進を図るために行う説得的なコミュニケーション活動
- 広報・PRは、企業や組織の存在意義や経営目的、そのための活動を人々に知ってもらい、“理解してもらう”ためのコミュニケーション活動
- 広告と異なり、広報・PRはメディアへの掲載について企業側でコントロールできない
- 報道機関から番組や記事で客観的に紹介されることで、企業や商品の信頼性や価値がぐっと高まる
(2021/01/15更新)