PDCA
PDCAがまわらない理由 第7回 ~行動しながら、考えようではうまくいかないこともある~
2021年04月14日
検証のフェーズで見るべきポイントの②計画を立案した時の、読み(仮説)と実行した結果の差異について解説します。
当然のことながら、PDCAのスタート時点、つまり計画を立てる段階ではどうなるか結果は分かりません。しかし、良い計画が無いとPDCAはまわらないことは事実です。
PDCAというと、どうしても実行ばかりに焦点が当たりますが、“読みの当たる計画”を作れるようになることも非常に重要だと思います。
よく、「行動しながら考えよう」という方もいらっしゃいます。これはこれで良い面もあるのですが、やる前に考えれば、分かることもたくさんあります。
PDCAを回していくと、組織の力量が分かるようになってきます。組織の力量とは、ここでは実行力を指します。
こういった計画をたてると、A部門の彼はこのくらい、B部門の彼女はこれくらい取り組んでくるから、このくらいの結果がでるかな、というのが肌感覚でわかってくるようになります。
逆に言うと、この肌感覚をつかめないと、いつまでたっても達成できない計画ばかりつくることになってしまいます。(戦略は、組織に従うので、組織レベルに合った戦略を作成することが重要です)
では、計画の検証は具体的にどのように行うのか。観点は下記の2つです。
- 目標数値の適正具合
- 実行計画と実行結果の差
①と②は、当初立てた計画の数値や目標が、高かったのか?低かったのか?ということを見た上で、
ではなぜ高い目標を立てたのか、低い目標を立てたのか、ということを深堀していきながら検討を行っていきます。
中には前年比の〇%増でとりあえず数字目標を作っている会社もあります。それも悪くはありません。
高い目標を立てることで、自ら考え、どうにか達成しようとこれまでにない発想が出ることもあるでしょう。
しかし、今回我々がやろうとしているのは、PDCAを推進させることであり、根拠のない数値を追いかけることではありません。
高い目標に対して、ただ遮二無二動くのはPDCAではないと思います。場合によっては単年度での達成が難しいこともあるでしょう。
つまり、Pの検証時点では、積み上げた(もしくは逆算した)数値目標に対して、どのくらいの見積もりがあったのか、実際には無かったのかということを振り返ることが重要です。
計画の検証を行っていけば、精度の高いPDCAを回すことができ、自社に不足している資源や結果に対する読みができます。
とある経営者の方は、
「山本君、私は経営計画を立てた時点で、最高のパターンから最悪のパターンまで計10パターン位、結果がどうなるかを想定しているんだよ。
Aの取り組みがうまくいかなかったら、次はBの手を打って、Cがうまくいけば追加でこれを彼に取り組んでもらうという5手先、10手先までを想定して計画をつくるもんだよ」と仰っていました。
計画を立てた後にどんな結果になるかは分かりませんが、分かるように近づくことはできると思います。そのためには、見落としがちな計画に対する検証も行ってみてはいかがでしょうか。