経営革新計画
経営革新計画の承認件数~都道府県独自の支援制度に注目!~
2021年09月02日
「経営革新計画」と聞いて、初めて聞かれた事業者の方も多いことでしょう。
一体、全国でどれほどの経営革新計画の承認がなされているのか、見てみたいと思います。
以下の表は、令和3年3月末時点での都道府県別での承認件数の内訳です。
令和元年までは、全国で毎年約4,000~5,000件台で推移していましたが、
令和2年は、全国で8404件の承認がされています。
コロナ禍による事業再構築、新事業ニーズの高まりもあって、経営革新計画へチャレンジされる企業が多くなったと推察されます。
上記の表を加工して、年度別に都道府県の承認件数ベスト5を見てみましょう。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | |
---|---|---|---|
1位 | 埼玉県(1021件) | 埼玉県(1020件) | 福岡県(1231件) |
2位 | 福岡県(575件) | 静岡県(536件) | 埼玉県(1103件) |
3位 | 静岡県(423件) | 東京都(432件) | 愛知県(844件) |
4位 | 愛知県(405件) | 福岡県(366件) | 静岡県(702件) |
5位 | 茨城県(221件) | 愛知県(230件) | 東京都(663件) |
経営革新計画の承認件数は、
近年、埼玉県が毎年No.1となっていましたが、令和2年には福岡県が大躍進し全国トップとなりました。
一方で、東京都や大阪府、神奈川県といった企業数が多い大都市における経営革新承認件数は低調です。
~埼玉県編~
埼玉県には、経営革新計画に取り組んでもらうにあたってユニークな制度があります。
「彩の国経営革新モデル企業」です。
「彩の国経営革新モデル企業」とは、
「経営革新計画」の承認を受け、経営革新計画の期間が終了した企業の中で、売上の増加や雇用創出への貢献など、他の県内中小企業の模範となるような成果を上げた企業として県が指定するものです。
令和3年1月15日に令和2年度「彩の国経営革新モデル企業」として6社を指定されています。
この6社のモデル企業の実例もWEBサイト(https://www.pref.saitama.lg.jp/a0803/model25.html)に掲載されており、これから経営革新計画に取り組む事業者においては、モデル企業の実例を参考に、経営革新計画に取り組むとどういう効果があるのか具体的なイメージを持っていただけると思います。
社名・業種 | 承認テーマ | 成果 |
---|---|---|
有限会社アライ看板工芸社 (屋内外広告看板製作業) |
UV 印刷技術およびレーザー加工技術の導入によるアニメ関連市場への参入 |
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久保井塗装株式会社 (工業塗装業) |
IoT を活用したマザー工場システムによる自社知的財産の商品化 |
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GREENMONGER (造園工事業) |
「ドッグガーデナーによる犬と人に心地いい庭」を打ち出したエンドユーザーからの受注獲得事業 |
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株式会社CRS埼玉 (自動車リサイクル業) |
粗破砕洗浄粉砕脱水ユニットでの樹脂リサイクルの事業化 |
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有限会社山本美創 (屋外広告業) |
デジタルサイネージを採用し「野立て看板」における革新を実現する |
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リバーサイトおいかわ (園芸サービス業) |
生産者による季節の花の直売事業の実施 |
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~福岡県編~
令和2年に、埼玉県を抜き、全国No1の承認件数となった福岡県。
福岡県にも、やはり経営革新計画の承認を得ることでのユニークな制度があります。
「(令和2年度2月補正予算)福岡県経営革新実行支援補助金」です。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/keieikakushin-jikkoushien.html
本補助金は、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う経営環境の変化に的確に対応するため、新たな取組(経営革新)にチャレンジする中小企業の方に、新規事業に必要な経費を補助するものですが、この補助金の申請にあたっては、「経営革新計画」の承認を受ける必要があるのです。
1者あたり上限50万円の補助金ですが、補助率が3/4と高く、経営革新計画事業において必要と認められる経費(謝金、旅費、会場借料、広報費、材料・消耗品費、機器賃貸料、機械購入費、委託費等)がほぼカバーされている点で、是非とも活用したい補助金となっていますね。
経営革新計画が承認されると、以下のような多様な支援を受けることができますが、
都道府県独自の支援措置にも注目しておきたいところです。
補助金獲得 |
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保証・融資の優遇措置 |
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海外展開に伴う資金調達の支援措置 |
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投資を受ける |
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販路開拓を行う場合の支援措置 |
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特許の優遇措置 |
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都道府県独自の支援措置 |
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