PDCA
PDCAがまわらない理由 第3回~いきなりPDCAをまわせと言われても~
2019年09月03日
皆さんは、小学生の頃の夏休みの宿題はどのように取り組んでいましたか?
- 出された瞬間に取り組むタイプ
- 提出間際になって慌てて取り組むタイプ
- 宿題の総量÷夏休みの日数で1日あたりの宿題の量を計算して、毎日こなし、計画との差異をみながら進めるタイプ
私は②の提出間際になって慌てて取り組むタイプでした。
夏休みも終盤、枯れた朝顔を見ながら、どんな風に成長していたか想いを巡らせながら、絵日記を埋めたことを今でも思い出します。
とはいえ、毎日出される宿題はきちんと提出しており、決して不真面目だったわけではありません。学校が終わってから遊んだ後は、宿題をするというペースで進めることができていました。
ただ、夏休みの宿題となると急に難しくなる。なぜなら、40日間という期間をどのように使って、日々どう過ごしていけば良いかが分からないからです。
夏休みを悠々と過ごす友人に、日割りでこなす方法を聞き、実践したこともあります。けれども、3日坊主に終わり、結局は残りの37日間を遊んで過ごし、泣きべそをかきながら、夏休み最終日を迎えたこともありました。
PDCAにおいても同じことが言えると思います。
一般社員頃のPDCAの多くは、日報や週報など、1日単位・週単位でのPDCAです。
例えば営業職の人であれば、どうすればより良く提案ができるのか、上手な資料の作り方はどうなのか、顧客に対する説明をどうすればよりよくなるのか、という個人単位での試行錯誤を繰り返しながら、短いスパンでのPDCAをまわします。
管理職においては、部門計画についてPDCAをまわしていくことが求められます。管理する期間も1日単位・週単位から、月単位、3か月単位に変わり、巻き込む人数も大幅に増えていきます。
つまり、夏休みの宿題のように、一般社員の間から、中長期間にわたり、かつ複数人が関係するタスクについてPDCAをまわす経験をしておかないと、管理職になってすぐに求められるPDCAをまわすことは難しいのだと思います。
そのためには、一般社員の間から社内プロジェクトに積極的に参加させましょう。
人を巻き込む仕事の進め方や長いスパンでのプロジェクトマネジメントの経験を積ませることが有効です。
プロジェクトの成否だけを考えれば、管理職の方を中心にプロジェクトに参画することで、成功に近づくことでしょう。
しかし、人材育成を考えれば、積極的に一般社員を参加させることは、プロジェクトの成功以上に大きな財産を社内にもたらしてくれます。
例えば、社内調整、ファシリテーション、管理帳票(会議資料など)への入力など、通常業務では経験できないことを経験することができます。
提出間際になって慌てて取り組むタイプのPDCAを行う管理職を生まないためにも、一般職の時から、中長期のPDCAをまわす経験を意図的につくっていくことが重要です。