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数字で見る事業承継

事業承継後の先代経営者の関与度

~先代経営者の事業承継後の役割と、後継者からの満足度は?~

ポイント

  • 先代経営者は事業承継後、約7割が会長・相談役として社内に残る。
  • そしてその役割としては「特になし」か、後継者にとって「経営の助言者・相談相手」といった役割を担う。
  • 事業承継後における先代経営者の経営に対する関与について、後継者が「満足」しているケースは、先代経営者の事業承継後の役割等について「十分話し合った」場合

先代経営者は会長に退いたものの、事あるごとに口出ししてきて、現社長が不満を感じているという声も多く聞こえてきます。
ここでは、先代経営者は事業承継後(引退後)の役割はどのようになっているのかを中心に見てみましょう。

(1)先代経営者の引退後の勤務形態

下記の図は、先代経営者の引退後の勤務形態について見たものです。これを見ると、先代経営者の引退後の勤務形態として「自社で、会長・顧問・相談役等として勤務」と回答した企業の割合が約7割となっています。

一方で無職(完全引退)となる割合も約1割程度あることがうかがえます。

先代経営者の引退後の勤務形態

先代経営者の引退後の勤務形態

出所:「2023年版中小企業白書(中小企業庁)」

(2)先代経営者の事業承継後の役割

次に、事業承継後の意思決定の状況別に、先代経営者の事業承継後の役割について見てみます。

これを見ると、「主に後継者が意思決定を行っている」企業は「特になし」の割合が最も高いものの、先代経営者は事業承継後も、主に「経営の助言者・相談相手」などの役割を担っていることが分かります。

一方で、「主に先代経営者が意思決定を行っている企業」は、「主に後継者が意思決定を行っている」企業と比較して、「取引金融機関との関係維持」や「既存取引先との関係維持」など、社外関係者との関係を保つ役割を先代経営者が担っている様子が見て取れます。また、「現経営者の経営に対する規律付け」といった役割を果たしていることが分かります。

事業承継後の意思決定の状況別に見た、先代経営者の事業承継後の役割

事業承継後の意思決定の状況別に見た、先代経営者の事業承継後の役割

出所:「2023年版中小企業白書(中小企業庁)」

(3)先代経営者の事業承継後の関与に対する満足度

下記の図は、先代経営者との事業承継後の処遇に関する対話状況別に、先代経営者の事業承継後の関与に対する満足度を見たものです。

これを見ると、先代経営者の事業承継後の役割等について「十分話し合った」と回答した企業は、事業承継後における先代経営者の経営に対する関与について「満足」と回答する割合が68.0%と最も高いことが分かります。

先代経営者との事業承継後の処遇に関する対話状況別に見た、先代経営者の事業承継後の関与に対する満足度

先代経営者との事業承継後の処遇に関する対話状況別に見た、先代経営者の事業承継後の関与に対する満足度

出所:「2023年版中小企業白書(中小企業庁)」

先代経営者は事業承継後も「経営の助言者・相談相手」といった役割を果たしているわけですが、後継者は先代経営者と事前に十分に対話を重ね、自社に合う形で先代経営者の事業承継後の役割等を検討しておくことが、円滑な事業承継を行う上で重要です。

文責

中谷 健太
中谷 健太
(株)新経営サービス 経営支援部マネージャー
「事業承継&経営革新の専門家」
事業承継士は、事業承継の唯一の資格であり、その専門性は折り紙つき。経営者のハッピーリタイアメントに向けて、事業承継の全体最適・プロデュース(弁護士や税理士をコーディネートする立場)を図る事業承継の専門家です。
これまで後継者不在の会社や、事業不振で廃業を検討していた会社、親族が分裂しかかっていた会社、社長の急逝による緊急対策など、様々なややこしい事業承継を担当。
また事業承継のみならず、補助金や国の中小企業政策も活用しながら、数多くの中小企業の経営革新・組織開発の支援を手掛けている。